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妖怪の山
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蓬莱山 輝夜:
も~。神様になるなんて、なかなかできない
面白い遊びだったのに、ひどいわ~。
霧雨 魔理沙:
ユメミタマを放置するわけにはいかないだろ。
おまえも、関係者として浄化に協力しろよな。
博麗 霊夢:
ところで、あんた。どうして、
あんなに妖怪たちの信仰を集められたの?
博麗 霊夢:
早苗みたいに現人神じゃないし、
私みたいに神を降ろせるわけでもないし……。
蓬莱山 輝夜:
ああ、それね。簡単なことよ。
ちょっと、ご褒美をあげただけ。
博麗 霊夢:
ご褒美?
蓬莱山 輝夜:
そう。貴重な薬とか、月由来の古い道具とか。
私を信仰してくれたら差し上げますよ~って。
博麗 霊夢:
そ、それって、買収じゃないの!
蓬莱山 輝夜:
買収でもいいじゃない。
結果として、信仰は集まったわけだし?
霧雨 魔理沙:
いや、だけどおまえな……。
蓬莱山 輝夜:
あ、そこよ。例のユメミタマ。
ほらほら、浄化しちゃって。
霧雨 魔理沙:
ああ? ホントだ。
じゃあまあ、とりあえず、やるか……。
霧雨 魔理沙:
今回の再上映も、
なんだかんだ無事に終わって、よかったなー。
博麗 霊夢:
ええ、そうね……。うーん。
霧雨 魔理沙:
しかし、あんなに影響力が小さい
再上映ユメミタマだなんて思ってもみなかったよ。
博麗 霊夢:
まあ、そりゃあね、あんまりよくないことだと
わかってはいるけど……、でもあんなに……。
霧雨 魔理沙:
どうしたんだよ、霊夢。
さっきから、何を悩んでいるんだ?
博麗 霊夢:
ねえ、魔理沙。神社に参拝に来てくれたら、
おいしいおせんべいをあげますとか、どうかしら。
霧雨 魔理沙:
どうかしらって、……まさか、おまえ。
博麗 霊夢:
おせんべいじゃダメ? じゃ、お茶も付けるわ。
それとも、甘いものの方がいいのかしら?
博麗 霊夢:
焼き印入りのまんじゅうとか……。いいかも!
さっそく用意して、参拝客を呼び込まなきゃ!
霧雨 魔理沙:
やれやれ……。この幻想郷でも、博麗神社の
信仰心不足は、なかなか解消しそうにないな。