狂気を操る程度の能力。 精神の波を自在に乱し、平常状態を極端な狂気へと変調させることができる鈴仙の能力である。   「まともに弾幕を避けられないでしょう?  それは私のスペルカードが凄いんじゃない。
あなたの認識が歪んでいる何よりもの証拠」  
ゆれる、ずれる、ぶれる、くずれる。 弾幕の軌道を余すことなく目で追えていたとしても、 狂気に支配された頭のせいで正常な判断を下せない。 赤く赫あかく輝く兎の狂気の瞳から、目をそらすことすら思いつかない。
「どうすればいいか分からなくて、
理性が狂気に支配されて、
思わず動きを止めたわね。
 ごめんなさい。
だけど、私の眼に支配された時点で、
あなたの負けは決しているわ」
辺り一面にばらまかれるは、理解不能な無数の弾幕。 幻覚、妄想、はたまた錯覚。いずれにせよ、勝利宣言はすでに終了している。   「あなたが無様に発狂する前に、
華麗に勝負を終わらせてあげる。
 それが私の眼に魅了されたあなたに贈る、
私からのプレゼントよ」  
咄嗟に瞑った目を貫くように、紅き弾丸が放たれた。