魔理沙とアリス。人妖の違いはあれど、共に魔法使いの称号を冠する二人。
しかし、その性格も弾幕の性質も、見事なまでに真逆だ。
「おいおい、アリス。なにちまちまやってるんだ?
前にも言っただろ、弾幕はパワーだぜ」
「まったく……あなたの雑な弾幕に合わせて
あげてる、こっちの身にもなりなさいよね。
あなたが取りこぼした敵を私が的確に
処理してるから、どうにかなってるのよ」
星々が輝く夜空を切り裂いて、二人の魔法使いは飛翔する。
かたや天の星をも押し流さんばかりの、鮮烈にして苛烈なる、極彩色の魔砲の奔流。
かたや計算され尽くした弾幕と操り人形が織りなす、精密にして優美なる、美しき魔法の交響曲。
燦爛さんらんたる弾幕が、夜を押し返さんばかりの大輪となり、空を染め上げる。
「おっ、わんさか出てきた。ここは私の出番だな」
「任せるわ、魔理沙。大雑把な敵には、
大雑把なあなたの弾幕がちょうどいいでしょう」
そうは言いつつも、面倒見のいいアリスはフォローを欠かさない。
なんだかんだ言って、息が合っているのだろう。
しかし、それを指摘しても彼女らは異口同音に言うはずだ。「そんなことはない」――と。