尋常の妖怪であれば、二人の敵とはなりえない。風の前の塵ちりに同じく、蹴散けちらされるが関の山。
けれど、異変の中心に近づくにつれ、二人を阻む弾幕は激しさを増す。
「丸ごと消し飛ばせば何も問題ないんだよな」
「同感ね。今はあなたの流儀に合わせてあげる」
「マスタースパーク!」
「アーティフルサクリファイス!」
鎧袖一触がいしゅういっしょく。息の合った二人の魔法の前に、搦め手など通じはしない。
「やっぱり弾幕はパワーだ。常識だぜ?」
「それこそ常識のない魔理沙には
言われたくないでしょうね。弾幕はブレインよ」
火力パワーと頭脳ブレイン――二人が力を合わせた時、その進撃を止められる者はいない。
「このまま一気に異変を解決しちゃいましょうか。
いい加減、あなたのお守りも疲れたわ」
「そりゃどーも。私もアリスの小言は、
しばらくはおなかいっぱいだぜ」
異変を終わらせるべく、魔理沙とアリスは真相へ迫る。
背中を預けた相手への信頼を自覚することもなく。