周囲から嫌われることを嫌い、自らの読心能力を封印した、幼く無邪気な妖怪こいし。 第三の目を閉ざした結果備わった、無意識を操る程度の能力で、 彼女は誰からも、その視界に入ったとしても、道端の小石のようにすぐに忘れ去られる。 いつでも、どこでも、ふらふら、ふらふら。 好奇心旺盛でジッとしていられない性格ゆえか、こいしはいつでも気の向くままに動き回る。 神出鬼没に見られがちだが、それはただ周りが知覚できていないだけなのだ。 その気になれば妖怪山や紅魔館にだって、ちゃっかりお邪魔することが出来る。
「私、恋焦がれるような殺戮をしてみたいの」   一見狂気的で物騒に捉えられるがこいしは妖怪。人ではない。 それに幻想郷では大体似たようなことを言っている妖怪も多いので、普通といえば普通だ。 心を閉ざしているがゆえに、その性格が本当のものなのか、 無意識的に発現したものなのかは誰にも分からない。   「泥棒はいけないことよ」   強盗しようとした魔理沙を諭すように叱るなど、一般的な常識は持ち合わせている。