「どう? どう?
すっごくカッチカチでしょー?」
出来上がった氷のアートを大妖精に見せるチルノ。
どうやら会心の出来らしい。
凍った花は光り輝いて夜を照らし、鋼鉄よりも硬くなってしまっている。
もしこの物質が外の世界で見つかったら、たちまち学者が大騒ぎするほどの逸品だ。
「わあ……! チルノちゃん、すごーい!
まさかこんなになっちゃうなんて……!」
「あと5万年は溶けないぐらい
カッチカチに凍らせたからな!
ずーっと持っていられるぞ!」
そう言ってチルノは出来上がった氷を大妖精にプレゼントする。
「それあげる! 今日の思い出!
どこかに飾ったらきれいだよ!」
「ありがとう! チルノちゃん!
キラキラ光ってて、照明代わりになるかも!」
ただの氷のはずなのに神秘的な輝きを放つそれを、大妖精はじっと見つめている。
「もし溶けたらまた凍らせるよ!
またいつだって凍らせてあげるから!」
「でも5万年後かあ……
それまで覚えてられるかなあ?」
「何万年経ったって忘れないよ、あたいは!
……たぶん!」
「うんっ! 何年経っても
ずーっと仲良しでいようね、チルノちゃん!」
人間には想像もつかないぐらい、遠い年月の約束をするふたり。
ふたりはいつまでも、溶けない氷のように、固い友情で結ばれ続ける。