// BOM card_100_015_00,2,59 START, SET_CARD_BG_IN,100015, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 「ああ、今日も舟を沈めなかった。 card_100_015_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 　水難事故を起こさないだなんて、 card_100_015_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 私はなんて偉いんだろう。 card_100_015_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 　しかし、はたして今の私は card_100_015_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 舟幽霊として正しいのかな？」 card_100_015_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 濡れた衣服を身に纏い、錨を背にして水面に浮かぶは舟幽霊。 card_100_015_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, 村紗水蜜という名を持つ一介の妖怪は、底のない柄杓をそっと咥える。 card_100_015_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_015_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 「舟を沈める感覚が、人が溺れる快感が、 card_100_015_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, ああ、ああ、忘れることができないなあ」 card_100_015_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_015_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 川を行き交う船に悪さをし、仄暗い水の底へと沈めることが存在意義の舟幽霊。 card_100_015_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, しかし彼女は約束した。自分を救い、導いてくれた一人の僧侶と。 card_100_015_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 人を襲うこと無かれ。さすれば妖であるあなたにも道が開かれん。 card_100_015_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ちょっとぐらい、船底に穴を空けるぐらいなら card_100_015_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 問題ないんじゃないかなぁ。 card_100_015_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 　私が沈める訳じゃないし。 card_100_015_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, 仲間を増やすためだから、 card_100_015_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 悪さとも言えないんじゃない？ card_100_015_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 　ああそうさ、何も間違っちゃあいない。 card_100_015_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, だって私は妖怪で、聖人なんかじゃないんだから」 card_100_015_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, ちゃぷちゃぷと、水面を揺らして言い訳を並べる村紗。 card_100_015_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, その内妖怪としての本能に負け、彼女はついに錨を手に取った。 card_100_015_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_015_00_40 SET_CARD_TEXT,1,1, 「私は妖怪、舟幽霊。 card_100_015_00_41 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_42 SET_CARD_TEXT,1,1, 舟を沈めることが生き甲斐さ。 card_100_015_00_43 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_44 SET_CARD_TEXT,1,1, 霊に慣れ果てた我が恩讐、 card_100_015_00_45 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_015_00_46 SET_CARD_TEXT,1,1, 水に乗せて思う存分お見舞いしてくれようぞ」 card_100_015_00_47 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,