「ふふ。必ず私の力で幻想郷を暴いてみせるわ!」   宇佐見菫子。昼は頭脳明晰な女子高生、夜は超能力を使うスーパー少女として夜を駆ける。 秘密を暴く者として活動しているうちに、幻想郷についての情報を掴んだ彼女の行動は早かった。   「天才宇佐見菫子にかかればこの世の秘密なんて
有って無いようなもの。暴いてやるわ、幻想郷!」
天に浮かぶ怪しい光を放つ月を背に、聡明さと幼さが混在した笑みを浮かべる。 情報から察するに、幻想郷は強固な結界で外界と隔たりを設けている様子。 いくら優れた頭脳と超能力を持つ菫子でも、その結界を越えることは難しそうだ。   「私が入れないなら、入れるモノを作ればいい。
そして向こうから
結界を解くように仕向ければいい。
 うふふ……私ってばやっぱり天才よね。
我ながら自分の頭脳が恐ろしいわ」
誇らしげな表情を浮かべる菫子には、ひとつの秘策があった。 実在するか否かに関わらず、都市伝説を所持者の力へと変える『オカルトボール』。 『すべてを集めれば願いが叶う』という都市伝説を紐付けて、 菫子はそれを密やかに幻想郷へと送り込んだ。   「ふふふ……すべてが私の掌の上
……楽しみになってきたわ」   こうして、幻想郷ではオカルトボール争奪戦という、新たな騒乱が巻き起こるのであった。