「誰が天人崩れですってぇ!!」   美しい顔を真っ赤に染めて、比那名居天子は猛る怒りをぶちまけた。 地面が彼女の怒りに呼応し轟うごめいて、大時化おおしけの大海のように隆起する。   【大地を操る程度の能力】。 うねりと轟音を伴った大地は、天子の怒りが収まるまで止まらない。
「この有象無象がぁ!」   生粋の天人ではないにも関わらず、天子は地上の妖怪を下に見ている。 おこぼれで天に昇っただけの彼女ではあるが、そのプライドは天よりも高い。 天界で悪事を働き、(一時的に)追放された身分でありながら、常に上から目線でものを言う。 自分が悪いなどとは微塵も思っておらず、その性根が変わろうハズもないのだ。   そんなクセの強い天子ではあるが、幻想郷にいる者達も 総じてクセが強いので、意外に溶け込めている。 退屈しのぎに霊夢の神社を地震で破壊した時は、紫によってコテンパンのフルボッコにされている。   それでもなお、彼女の行動理由は折れず曲がらず。 今日も退屈しのぎに、戦闘というゲームを始めるのだ。