永遠亭に住んでいるお姫様。
【永遠と須臾を操る程度の能力】により成長を止めた月出身の人間、
それが蓬莱山輝夜という存在だ。
須臾しゅゆ――1000兆分の1――というごく僅かな時間を寄り集め、自分の時間としてしまう。
レディに歳を聞くのはナンセンスだが、永遠を生きるお姫様に年齢などは意味を成さない。
彼女の持つ蓬莱の玉の枝は神宝とされ、月に存在する穢れによって成長する植物の枝。
枝に実る美しい七色の玉は穢れをたっぷりと吸った証でもあるのだ。
「過去は無限にやってくるわ。
だから今を楽しまなければ意味がないじゃない?」
蓬莱の玉の枝を振るいながら、彼女は美しき虹色の弾幕を放つ。
永遠の中のひと時、億を生きる輝夜にとって、人の一生はまさに須臾しゅゆ。
「千年でも万年でも、今の一瞬に敵う物はないの」
幻想郷に生きる長い寿命を持つ者達の営みでさえ、輝夜にとっては瞬きのような出来事。
だからこそ一瞬一瞬を楽しみ空を舞う。
竹取の時代から未来へと続く、この今という一瞬を。