「かかれ! 埴輪軍団突撃!」
兵長である、磨弓の号令で埴輪軍団が敵に次々に襲いかかった。
心を持たない埴輪たちは躊躇ためらうことなく磨弓の命令に従い、恐れず戦うのだ。
「私を含め、埴輪たちには疲れも恐れも何もない。
例えお前がどれだけ強い力を持とうとも、
私たちに限界はないのだ」
無限に戦い続ける埴輪たち。
その戦いこそが埴輪たちにとっては、存在する理由であり、何よりの喜びだ。
それは、埴輪である磨弓自身も同じこと。
彼女は何千、何万年もの間、埴輪たちと共に戦い続けている。
「戦うために生まれた私たちの姿、
その目に焼き付けるがいい!」
畜生界に住まう動物霊や人間霊相手に、磨弓たちは今日も立ち向かう。
日が昇り、日が沈み…また日が昇っても彼女たちは、
身体を休めることなくただひたすら戦い続ける。
いくらその身が傷ついても、すぐに修復し再び戦いの場へと舞い戻る。
「私には退却も敗北も存在しない。
この世が終わるまで、戦い続けるだけだ」