満月が浮かぶ夜、首なしの怪異は訪れる。
「お前はここで死ぬんだ。
でも安心していい、多分地獄も悪い場所じゃない」
死が起きる場所に出向き、
その者の死を予言するデュラハン、名は赤蛮奇。
「これでも優しく言ってやってるんだ。
そんなに嫌な顔をしなくたっていいだろ」
赤蛮奇は自らの首を飛ばし、死者に哀悼を告げる。
首にまつわる妖怪は、死を告げるときも相手の首を狩ろうと迫っていく。
「お前の首を貰っていくよ。
大丈夫、ちゃんと地獄に届けてやるから」
「こう見えても私は優しいんだ。
サービスも良い方だって自負しているしね」