妖怪退治の専門家といえば、博麗神社の巫女だろう。
しかし、幻想郷にはもうひとり、妖怪退治を生業なりわいとする少女がいる。
「何でも屋の魔法使いだ。
妖怪やら異変やらで困ったら、
身近な私にまず相談しに来いよな。
文句たらたらの霊夢なんかじゃなく、この私にな」
霧雨魔法店を経営している、若き魔法使い見習いこと、霧雨魔理沙。
多少手癖が悪いことに定評がある彼女だが、妖怪退治の腕前は本物だ。
「これでも異変をいくつも
解決してきた実績があるんだ。
……まあ、解決した数で言えば
霊夢のほうが多いんだけど」
霊夢が天賦の才で妖怪を蹴散らすなら、魔理沙は努力によるパワー。
どんなに強大な敵が立ちはだかろうとも、彼女は持ち前の火力でその壁ごと消し飛ばす。
「弾幕は火力だぜ。
美しさも重要だが、相手を圧倒できなきゃ論外だ。
私のマスタースパークなら、
神だろうが妖怪だろうが一発KOだ!」
「ところで、何か仕事の依頼はないか?
今、ちょーっとだけ財政難でな。
異変でも妖怪退治でも雑用でも何でもこい!」
なんとも言えない頼りの無さも、ある意味彼女の良さであると言えるだろう。