紅魔館の主、レミリア・スカーレット。 約五百年もの歳月を生きてきた吸血鬼であり、紅い悪魔として人々から怖れられている。   「ふふふ、誇り高き貴族、紅魔館の主、
偉大なる吸血鬼とは私のことよ。
 頭を垂れ、供物を捧げ、
畏敬を持って接することね!」
実際、本人も自身を怖ろしい吸血鬼だと主張しており、 彼女が危険な存在であるという認識に誤りはない。   しかし、彼女にはとても親しみやすい一面もある。 月に行くためにロケットを作ろうとしたり、血のつながった妹になめられていたり。 自分より年上の妖怪たちや神々に子ども扱いされたりと、 風評と現実とのギャップを感じさせる事柄は、枚挙に暇がない。
「運命をも掌握する私が本気を出せば
幻想郷を支配するのは容易たやすいわ。
 でも、ただ支配するだけじゃあ
なにも面白くないからな。
 私の名声を轟かせるとっておきの策を、
今パチェとともに考えているところなんだ」  
心の底から偉そうな笑みを浮かべながら、 かつて外の世界を脅かした伝説の吸血鬼は、血の入ったワイングラスをゆらゆら揺らした。