紅魔館の主レミリア・スカーレットには血のつながった妹がいる。
「アイツの妹、フランドールよ。
ねえ、外のことを聞かせてくれる?
五百年ぐらい引きこもってて退屈なの」
フランドールは性格的に問題があり、かつ引きこもり気質だったため、
屋敷の外に出してもらえたことがなく、今までずっと紅魔館の地下室で時を過ごしてきた。
「私は吸血鬼だけど、どうやって人間を
襲えばいいのかはまったく知らないの。
仕方ないじゃない。
だって、誰も教えてくれなかったんだから」
人に育てられた鳥が野生で生きていけないように、
フランドールもまた、吸血鬼としてはひとりで生きていけない箱入り娘なのだ。
「気に入らないヤツがいたら、
私の能力でぶっ壊すだけよ。
え? どんな風にかって?
それはもちろん……きゅっとして、どかーん」
運命を操る姉に対し、彼女が持つ能力はありとあらゆるものを破壊するという恐ろしいもの。
五百年近くの時を生きても尚、子どものような精神の彼女が持つには
あまりにも物騒な能力だろう。
「退屈だわ。退屈だわ。
ねえ、あなた。私と一緒に遊びましょ?
そうね……じゃあ、弾幕ごっこで!」
彼女と遊ぶときには注意が必要だ。
気を抜くと、一滴の血も残らず爆発四散させられてしまうのだから。