幻想郷一の剣豪と言えば、魂魄妖忌の名を上げる者は数知れず。
しかし、彼が姿を失して久しい今、幻想郷一の剣豪と言えば、魂魄妖夢の名が上がるだろう。
「私はまだまだ未熟者です。
この世全てのものを斬れるその日まで、
幻想郷一の座はお師匠様のものですよ」
時には舞い落ちる葉を、時には生い茂った雑草を。
庭師として白玉楼を支えながらも、妖夢は修業を怠らない。
「護衛として幽々子様を守る事、
お師匠様のような立派な剣士になる事。
どれか一つではなく、
その両方を成し遂げてこその魂魄妖夢です」
幻想郷には数えきれないほどの強者がひしめき合っている。
常に上下関係は塗り替えられ、食物連鎖はひっくり返される。
そんな幻想郷で、最も強い剣士であれ。
師匠からの言いつけを胸に、妖夢は刀を振るうのだ。
「恐れ戦け、我が名は魂魄妖夢!
白玉楼の庭師にして、
いずれ最強となる剣士見習い!
妖怪が鍛えたこの楼観剣に
斬れぬものなど、あんまり無い!」