「私は爾子田里乃。よくここまで来たわね」
里乃はもともと人間だったらしいが、
今では魔力によって"人間ではない何か"に変えられている。
傀儡くぐつのような存在であるが、
本人はそんなに気にしていないようだ。
「物事は慎重に進めないとね。
そういうところ、私はデキる女でしょ」
自信過剰気味に胸を張る里乃。
何を考えているか分からないところがあるが、
その所作からは育ちの良さが垣間見える。
「元がどんな人間だったか?
さあ、私自身も覚えていないし……。
そんなことどうでもいいことじゃない?」
「それよりもっと遊びましょうよ。
アナタも、何も考えられないぐらいにね」