造形神が創り出した人型最終決戦兵器! とは言っても埴輪はにわは埴輪はにわだ。   「量産埴輪りょうさんはにわとは違うのよ!」   だがその力を侮るなかれ。剣術、弓術、馬上戦術、どれをとっても兵長の名に相応ふさわしい強さを持つ。   「我らが兵団こそ無敵! 雑兵など目では無い!」   実際、畜生界では敵無しとなった磨弓兵団。 しかしその天下は幻想郷から訪れた一人の人間によって覆された。
「くそっ! 生身がこんなにも強いとは……!
おのれオオカミ霊!」  
埴輪兵団から繰り出す数多の弾幕も、畜生霊に憑依されていた人間には手も足も出ずに完敗。 作り物でありながら、彼女は敗北の涙を流した。 造形神からのプログラムが組まれている兵器とは言え、彼女には立派な感情が芽生えていたのだった。   「次こそは必ず勝つ!」   敗北を喫してなお折れない不屈の心。 そして涙の奥には滾たぎる闘志が熱く燃え盛っていた。