人里の寺子屋には半妖がいる。
人間を愛し、歴史を重んじるワーハクタクと呼ばれる妖怪教師が。
「子どもにものを教えるのは楽しいよ。
……何故か居眠りをする生徒が後を絶たないが」
慧音の授業は退屈な事で有名だ。
それは、内容があまりにも難解過ぎるからである。
子どもたちは、すぐにすやすやと寝息を立てはじめてしまう。
「寝ずに授業を聴けと口を酸っぱくして
言い聞かせているのだが、てんでダメだな。
最近では妹紅にも授業の手伝いを
してもらっているが……一緒に居眠りする始末だ」
ちなみに、慧音は決して放任主義ではないので……
「居眠りや宿題忘れに対しては、
教育者として厳しく罰しないといけない」
「これでも、頭の硬さには自信があるんだ」
それは、寺子屋名物と化したお仕置きの一つ。
彼女が放つ頭突きはすごく痛いと、子どもたちの間で評判だ。