「こくっ、こくっ……ん~……」
グラスに注がれた真っ赤な液体。それは人の血液。
吸血鬼であるレミリアにとっては、生きる上で大切な嗜たしなみだ。
「この血、なかなか悪くないわね。
もうちょっと飲もうかしら……こくっ……」
我を忘れるように、血をあおるレミリア。
その口元から血液が零れ、彼女の服を赤く染め上げていく。
「ううん……ちょっと零こぼしちゃったわ。
咲夜、何か拭く物を用意して」
レミリアの発した声に反応し、直ちに咲夜がハンカチを持って隣に立つ。
「零こぼすなって? しょうがないじゃない……。
私はスカーレットデビルよ。
血を吸えば、自分の身体も紅く染まるわ」
永遠に幼い吸血鬼は、そう不敵に笑う。