「どーだ! 見たか!
これ、すくーるみずぎ、って言うらしいぞ!」
胸のゼッケンを誇らしげに見せるのは、自称、幻想郷サイキョー妖精チルノ。
「これで水の中もスイスイだな!
あたい、泳ぎだって得意なんだぞ!」
「ん? 水を凍らせたら泳げなくなる?
あはは! それはフツーのやつが考えることだ!」
「ふふふ、そんなバカな! って顔してるな?
本当だぞ!
あたいがどんな考えをしてるか知りたいかー?」
チルノの発想は時として常識を超える。
もっとも常識を超えすぎて周囲を置き去りにしてしまうが。
「おっ! 気になってきた?
いいぞいいぞ! 教えてやる!
もちろんタダだ! タダより安い物は
ないって言うでしょ? 実際安いけどね!」
何を言っているか常人には分からないこともしばしばあるだろうが、
チルノにとってはそれこそが常識なのだろう。
多分、理解してもいいことは無い。
「あたいは頭がいいからな!
水を凍らせて、その上を滑って泳ぐんだ!」
それは泳ぎではなくスケートなのでは?
「そう! それだ! やっぱりあたいは天才だ!
これで誰よりも早く泳げるんだー!」