「こいつなんてどうだい? 今なら安くしとくよ」   空は晴天、照り付ける太陽の下、今日もにとりは商売に精を出す。 水着を身に着け、自分の発明品を売りつけて回る。   「水鉄砲なら色々あるけど……
多連装バレル三式ウォーターガン。
 水合戦なら敵無しじゃないか?
 後は自動呼吸装置。
これをつけてればエラが無くたって平気だ」
幻想郷にもたらされる画期的なシロモノは、大抵河童族が造り上げた物だ。   「水に濡れても良いか心配? 河童の作る品は
全部防水仕様だから安心していいよ」  
製作は主に陸上で行われるのだが……実際に作っている所を見た者は誰もいないらしい。   「しっかし皆楽しそうだなぁ。
私もちょっと混じってこようかな。
ついでに尻子玉も抜いちゃおう」
水の中で楽し気にはしゃぐ幻想郷の住民達を前に、にとりの商売魂が冷めていく。   「そらそらそら! 私も混ぜろーー!」   堪え切れなくなったにとりは自作の水鉄砲を手に いつもの弾幕合戦とはまた違う戦いへと突撃していったのだった。