「わあっ! すごいすごい!
これすっごく楽しいよ~お姉ちゃん!」
「ん……? この声はこいし……?
何があったの……?」
外から聞こえてくるこいしの声で、目を覚ましたさとり。
さっそく庭へ赴いてみると、見慣れた館はなんと、一大リゾート施設へと変貌していた。
「あっ! お姉ちゃん! こっちこっち!」
「ちょっと、こいし。
こんな不思議な状況ではしゃいで……」
「へーきへーき! それより早く遊ぼうよ!
ほかのみんなも呼んで呼んで!」
「もう……。遊ぶより先に
調査したほうがいいと思うのだけど……」
不思議な現象に警戒するさとりだったが、天真爛漫なこいしの笑顔を見ているうちに、
たまには細かいことを考えず思いっきり遊んでみるのもいいかも……なんて考えが頭をよぎる。
「うん、こいしの言うことも
一理あるかもしれない。
ここ最近疲れも溜まっていたし」
「わあっ! お姉ちゃんも遊んでくれるの!?
嬉し~やったぁ!」
「へえ……なかなか用意がいいのね。
この鉄砲のような物は何かしら?」
「んん-? なんだろ? 水を入れるのかな?
やってみてよお姉ちゃん!」
「ふふっ、そう急かさないでよ。
多分これをこうして……
水を出すんじゃないかしら?」
最初は乗り気でなかったさとりだったが、すっかりリゾート気分を満喫し始めていた。