「あーあ、正体不明ってのも退屈なんだよなぁ」   伝説の大妖怪、鵺。 時代時代により伝承が異なる奇異な存在。   「とりあえず人間でもからかって遊ぶかぁ」   伝承による語りの中で人間に何度も退治されてきたぬえだが、その行動は変わらない ぬえの【正体を判らなくする程度の能力】はあらゆるモノに作用する。 その力を自らに施せば、ぬえの本当の正体は誰にもわからなくなる。
「何に見える? 何が見える?
怯えて怖がって震え上がって、私を楽しませてよ」  
様々な姿形で伝えられるのはぬえでは無く、ぬえが作り出した幻想だ。 ぬえは滅多な事では表に出てこない。 正体不明の種を仕込み、それに怯える人間達を見て楽しむのだ。 「あははは! 正体不明が私の存在意義。
誰にも私は見破れないよ!」  
本能のままに動くぬえは、生粋の悪戯っ子。 自由奔放に遊びまわる平安の大妖怪は今日も空を舞い、見る人々に正体不明を見せ続ける。