「うー……ん?」
こいしが目を覚ますと、そこは不思議な空間が広がっていた。
摩訶不思議な色をした魚や海月くらげが漂う水の中。
「うーん……触れないー……」
手を伸ばしてみるが、
そこにある物はこいしの手に触れることはない。
「これは私の夢? 誰かの夢?
それともみんなの夢……?」
無意識を操るこいしは、あらゆる無意識を漂う。
それはあらゆる命が見る、夢のようなモノ。
「ゆらー……ゆらー……。
あっ……そっか。あなたはまだ生まれる前なの?」
こいしの声に応えるように、魚がゆっくりと姿形を変えていく。
新しい生命が生まれ、また新たな無意識が広がっていくのだろう。