「おい輝夜」
「何かしら妹紅」
延々と語り継がれ、世に広く知られるお伽噺、かぐや姫。
その主人公であるかぐや姫が現在も生きており、真実の口伝であることは広く知られていない。
「謝れ」
「お断りよ。悪いことなんて何もしていないもの」
そして永遠の主人公、かぐや姫と切っても切り離せないひとりの少女も、
公にはあまり知られていない。
「うるさい殺す!」
「はいはい。
顔を合わせればすぐそれなんだから。
悪いのは私じゃなくてあなたの御父上。
それに不老不死になったのは、魔が差して
蓬莱の薬を飲んだあなたがいけないんでしょ」
千年以上昔、妹紅は都に運ばれるはずだった不老不死の妙薬、蓬莱の薬を口にした。
それからは不老不死の存在として長き時を生き、そして同じ境遇の輝夜と再会してしまった。
「今日こそ殺す。絶対に殺す。
ほかの誰でもない、この私の手で!」
永い永い夜に、永い永い殺し合いが始まる。