「不思議とは解き明かすべきもの。
解き明かせない不思議は不思議と呼べないわ!」
不思議は不思議のままであるほうが神秘的で良い、などという言説が世の中にはある。
しかし菫子は反論する。不思議とは研究対象。解き明かせない謎はない。
そして解き明かした先にこそ、更なる楽しみが待っている……そう彼女は信じているのだから。
「今回の異変も、
私はしっかり解き明かしてみせるわ!
たとえ私がアリスであろうと、
不思議に呑まれるだけのアリスではいられない!
アリスはアリスでも、私は
ワンダーランドの秘密を暴くアリスでいたい!」
不思議に満ちた幻想郷は、外の世界の住人である菫子にとっては格好の遊び場。
ここで巻き起こる異変は、彼女にとってテーマパークの一大イベントだ。
「さて! さっそく調査へ向かうわ!
妖怪も神も悪霊も、
この私を止めることはできない。
私の抑えきれない好奇心と怪異への情熱は、
誰にも負けたりしないんだから!」
メルヘンでファンタジックな怪異だろうと、彼女の興味はその原理そのもの。
かわいらしい衣装も、空間も、彼女の目に映るのはすべてが興味関心、研究対象。
「あぁ、願うことなら、
この興奮を外の世界に伝えたい!」
彼女の怪異への熱き想いは、冷めることなく無限に湧き上がり続けるのだ。