「あれ? この服、いつもと違う……?
なんだろう? かわいいけど……」  
少し午睡が長引いてしまったあるとき、起きると自分の服が変わっていたことに気付く霊夢。   「は! これはまさかアリスの!?  いや、アリスは水色と白だっけ……。
でもどこかで見たことある服」
「また何か新しい異変が起きるような気がする。
勘だけど」  
身勝手で傲慢で我儘で守銭奴、そんな霊夢が新たな衣服を目に思いついたことはひとつ。   「これ、霖之助さんのところで見た本に出てきた
『女王さま』の服に似ている気がするわ。
この服で、なにか一儲けできないかしら」   やれやれ、と首を振る霊夢だが、貧乏の原因が神職をやらない自分にあるとは露ほども思っていない。
「はてさて、今回の異変は
いったいどこの誰が原因なの?
ていうか、私だけ妖怪退治するのも癪よね。
 兵隊がいたらいいのになぁ。
そうそう、あのトランプの兵士みたいな」
自分の手足として使える大量の兵士を想像してほくそ笑む霊夢だが、 それが現実になれば幻想郷にとって異変(迷惑行為)の原因にすらなるだろう。   「そいつの首を刎ねろー! なんてね」   霊夢の気分で首を刎ねられたらたまったものではないが、 幻想郷には首を刎ねた程度で死ぬような存在はほとんどいないため、比較的安心だ。