「あっははは! 燃えろ燃えろー!
はろうぃんないとであるぞ!」  
某日の夜、幻想郷にて数多の火柱が吹き上がり、 いつもとは違う道士服を纏った布都が楽しそうにはしゃぎまわっている。   「とりっくおあとりーぃと、とはなんだ?
何らかの呪文のようだが……」
はて、と首をかしげながらいろんな所に火をつけて行く布都。   「なにぃ!? 菓子がもらえるだと!?
そういうことは早く言え! こうしてはおれん!」  
ぴょんぴょんと弾むように移動する布都の顔は、新しいことへの期待で満ち溢れている。
「して、菓子をもらうにはどうしたらいいのだ?  ふむふむ……悪戯をしたら菓子がもらえるとは
……変わった祭りだな。
 そういうことは妖精たちのお家芸ではないか。
氷のあやつとか地獄のあやつとか。
 風水でできる悪戯も考えてみるか……、
だが普段悪戯なんて考えもしないから
勝手が分からん!
 そもそも菓子は誰からもらえばいいのだ?」
疑問を口にしながらも、火を放つ布都の手は止まらない。   「まぁいい。騒ぎを起こしていれば
誰かしら飛んでくるだろう!」   そもそも祭りの根本から勘違いしている布都なのであった。