// BOM card_100_162_01,2,48 START, SET_CARD_BG_IN,100162, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, さとりは旧都に君臨すれども、決して慕われているわけではない。むしろ恐れられている。 card_100_162_01_1 SET_CARD_TEXT,1,1, それでも、管理者であるからには、やれることはやらねばなるまい。 card_100_162_01_2 SET_CARD_TEXT,1,1, そう思う程度には責任感が強いのが古明地さとりだ。だが―― card_100_162_01_3 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_162_01_4 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 「さとり様、怨霊の管理はわたしがやりますから、 card_100_162_01_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 休んでてくださいよ」 card_100_162_01_7 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_162_01_8 SET_CARD_TEXT,1,1, 「灼熱地獄跡の温度ですか?  card_100_162_01_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 大丈夫ですよ~、ばっちり調節してますからっ」 card_100_162_01_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_11 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_12 SET_CARD_TEXT,1,1, さとりのペット達はお燐やお空を筆頭に、主のためによく働く。 card_100_162_01_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 庭の手入れに地霊殿の掃除。人の姿をとれない動物の世話に、時には妹の遊び相手。 card_100_162_01_14 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_162_01_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……暇ですね」 card_100_162_01_16 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_162_01_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 予期せぬ休暇を持て余し、読みかけていた本のページをめくる。 card_100_162_01_18 SET_CARD_TEXT,1,1, ――物語はいい。とりわけ、感情描写が繊細なものは、さとりに未知の世界を見せてくれる。 card_100_162_01_19 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_162_01_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……心の声を聴くことと、文章で書かれた card_100_162_01_21 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_22 SET_CARD_TEXT,1,1, 人の感情を読み解くのは別だから」 card_100_162_01_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_24 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_25 SET_CARD_TEXT,1,1, ページを一枚一枚めくることで、幾重いくえものベールで包まれた人の心を、一枚一枚解きほぐしていく。 card_100_162_01_26 SET_CARD_TEXT,1,1, “心の声”という答えを当たり前に手にしてしまうさとりにとって、 card_100_162_01_27 SET_CARD_TEXT,1,1, その工程は不可思議であり、また発見に満ちているのだろう。 card_100_162_01_28 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_162_01_29 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……自分で書いてみるのも、 card_100_162_01_30 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_31 SET_CARD_TEXT,1,1, いいかもしれないわね」 card_100_162_01_32 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_162_01_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_162_01_34 SET_CARD_TEXT,1,1, そうすれば、人とのかかわりが薄い自分にも、心の声の先―― card_100_162_01_35 SET_CARD_TEXT,1,1, “声”にならない“感情”を知ることができるのかもしれない。そんなことを夢想する。 card_100_162_01_36 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,