// BOM card_100_174_00,2,57 START, SET_CARD_BG_IN,100174,0, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 秋はいい。涼しい風に誰かの焚き火の匂いが香る、不愉快ではないのは豊かさの証だからだ。 card_100_174_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 「くんくん、これはお芋の香り、 card_100_174_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, 向こうからは林檎の香り……ふふふふふっ」 card_100_174_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 秋の豊穣を司る秋穣子にとって、秋の味覚は宝石にも等しい価値がある。 card_100_174_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, バチバチと栗が焼けて跳ねる音はさながらファンファーレ、揺れる黄金の稲穂はステージだ。 card_100_174_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 「みんな~、神様に感謝してよね。 card_100_174_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, 私がいないと冬を越せなくなっちゃうよ~?」 card_100_174_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 穣子はおどけてみせたものの、やがて顔をしかめてため息を吐いた。 card_100_174_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 豊穣神への信心が離れつつあることもそうだが、秋の終わりには必ず冬が来る。 card_100_174_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 豊穣の終わりは落葉から始まる、見渡すと山々を華やかに紅葉が彩っていた。 card_100_174_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, 「姉さんは今から落ち込んでるのかしら、 card_100_174_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, 我が姉ながらちょっと暗すぎるというか……」 card_100_174_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 近く様子でも見に行ってやるかと決心する、秋を謳歌する自分を見せつけるのだ。 card_100_174_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……綺麗に山を染める赤が美しいなら、 card_100_174_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, 散りゆく様もまた美しいでしょうに」 card_100_174_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, 散ることばかりを気にして、自分の生み出した紅葉の美しさを忘れがちな姉を羨ましく思う。 card_100_174_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 豊穣を司ることの素晴らしさに否はないが、この秋の景色の華やかさを司る姉の力は、少し妬ましい。 card_100_174_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, 「秋の実りの香りを、もっともーっと集めて、 card_100_174_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, 姉さんに自慢しちゃおうっと!」 card_100_174_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_174_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, 気持ちを切り替え秋の幻想郷巡りを再開する、どうせ姉も内心では自分が一番と思っているのだ。 card_100_174_00_40 SET_CARD_TEXT,1,1, それが勘違いだと、秋は豊穣こそが重要なのだと、思い知らせてやらなければ。 card_100_174_00_41 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_42 SET_CARD_TEXT,1,1, 「そうだ、焼き芋屋さんも始めないとね!」 card_100_174_00_43 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_174_00_44 SET_CARD_TEXT,1,1, 秋はまだまだ始まったばかりだ。 card_100_174_00_45 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,