「あたいをパーティに招くなんて、
こーまかんのあるじはわかってるわね!」  
自称最強の妖精チルノは紅魔館主催のクリスマスパーティにお呼ばれした。 騒がしく賑やかで楽しいことが大好きなチルノは早速パーティの準備を始めたのだが……。
「それにしても、
くりすます? ってなんだろう。
寒い時期だからこその、特別なこと?
聞いたことないけど、あのきゅーけつきが
考えることだもん、楽しいことには違いない!」  
チルノは深く考えない。楽しければそれでいい。それが彼女チルノの本質だからだ。 でも、残念ながら、今回は考えなくてはならないことがひとつだけあって……。
「あのメイド人間からプレゼント交換を
やるよって言われたけど……何がいいのかな。
プレゼント……プレゼント……ううーん、
せっかくだから目立てるものがいいんだけど!」  
目立てるだけじゃ物足りない。周囲をあっと驚かせるような、そんなプレゼントが望ましい。
「そうだ、かき氷! あたい特製の
かき氷を作るんだ、それも全員分!
かき氷は寒い時が美味しいんだって、
だれかが言ってた気がする!」  
誰が言ってたかはさっぱり思い出せない。そもそも誰も言ってないかも知れないが、 そうと決まれば何とやら。チルノはいくつかの器を用意し、早速プレゼント作りを開始した。 ツリーのように彩られた緑のかき氷、星の飾り付け、かえるの氷漬けに……チルノを象った氷像。 最早かき氷には見えず、さながら氷上の芸術と化している。それでも、本人はたいそうご機嫌だった。