// BOM card_100_190_00,2,78 START, SET_CARD_BG_IN,100190,0, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 雪が降る寂れた神社。お社の階段にこしかけた神様、諏訪子は暇を持て余していた。 card_100_190_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 「うー寒い。寒いし暇だし、冬眠しちゃいそうだ。 card_100_190_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, こんな寒いけど、誰か来るかも知れないからねえ」 card_100_190_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, ここには誰もいない。人気のない境内を見渡すまでもない。すでに、終わった神社と言ってもいい。 card_100_190_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, この場所にいるのは自分と、まだ諦め切れていない相棒の神様ぐらいなものである。 card_100_190_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, 「こんにちは～～！　今日も遊びに来ました！ card_100_190_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, かみさま！　……かみさまどこですか～？」 card_100_190_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 「まーた来たのお嬢ちゃん、今日は寒いから中に card_100_190_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 入っていたかったんだけど。しょうがない子だね」 card_100_190_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, ふふふと笑い、諏訪子は少女の目を見て話す。少女は諏訪子を見ず、神社の中を覗きこみながら話す。 card_100_190_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, この神社の風祝、自らと縁のある当代の巫女、その装いは現代の学生服だ。 card_100_190_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 「今日は学校でお友達から card_100_190_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, 面白い話を聞いたんですよ～」 card_100_190_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, 「へえ、それはよかったねえ」 card_100_190_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 過去を思えば、巫女と神のやりとりとしては、いささか軽すぎるのかも知れない。 card_100_190_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, それでもこの子はこちら側を、神を軽く視てはいない。むしろ親しみすら感じる。 card_100_190_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 一生懸命に語りかけるこの子は、この神社に自分と、もう一柱のかみさまがいることを確信している。 card_100_190_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, その姿は見えなくとも。 card_100_190_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, 「まあいつか、私が見えるといいねえ～」 card_100_190_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……あれ、かみさま？ card_100_190_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, なにか、おっしゃいました？」 card_100_190_00_40 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_41 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_42 SET_CARD_TEXT,1,1, 「おっと、さっそくかな？」 card_100_190_00_43 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_44 SET_CARD_TEXT,1,1, 少女は何か期待するようにしばらく耳を澄ませていた様子だったが、しばらくしてため息をついた。 card_100_190_00_45 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_46 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_47 SET_CARD_TEXT,1,1, 「また来ますね、かみさま。 card_100_190_00_48 SET_CARD_TEXT,1,1, 今度はもっと面白い話をしにきます！ card_100_190_00_49 SET_CARD_TEXT,1,1, 寒いので、くれぐれも風邪にはお気をつけて！」 card_100_190_00_50 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_51 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_52 SET_CARD_TEXT,1,1, 「毎回こんな寒いとこ来て、 card_100_190_00_53 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_54 SET_CARD_TEXT,1,1, そっちが風邪引くんじゃないよ」 card_100_190_00_55 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_56 SET_CARD_TEXT,1,1, 呆れて声をかけるも、気づかず少女は帰っていった。 card_100_190_00_57 SET_CARD_TEXT,1,1, この子が最後の巫女なら、それも良しと諏訪子は思った。だが、彼女はそうは思わないだろうとも。 card_100_190_00_58 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_59 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_60 SET_CARD_TEXT,1,1, 「――もちろんです」 card_100_190_00_61 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_62 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_190_00_63 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……ま。好きにするといいけどさ」 card_100_190_00_64 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_190_00_65 SET_CARD_TEXT,1,1, 諏訪子は背後からの声に気軽に返した。 card_100_190_00_66 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,