// BOM card_100_191_00,2,52 START, SET_CARD_BG_IN,100191,0, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 今日も昨日と変わらない。きっと明日も変わらない。彼女にとって、日常は同じことの繰り返しだ。 card_100_191_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_191_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……………………退屈。 card_100_191_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, どうしてこんなに毎日退屈なんだろ」 card_100_191_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_191_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 学校の二階、授業中の教室。窓際の席で、菫子は窓の外をぼーっと眺める。 card_100_191_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女にとって、授業の内容は簡単すぎてどうでもよかった。 card_100_191_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 天才であるが故に、菫子は人並みの生活に飽きていた。彼女にとって、この世界は平和過ぎた。 card_100_191_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, 「雪、すっごい積もってる……今すぐあそこに card_100_191_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 飛び込んだら、少しぐらい楽しいのかな」 card_100_191_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_191_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 授業中だけど、呟きを洩らしてみる。天才故の奇行と思われたのか、誰にも注意されなかった。 card_100_191_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 誰にも届かなかったのかも知れない。溜息が止まらない。脳も身体も、退屈だと叫びを上げている。 card_100_191_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, このまま惰性で生きて、何の変哲もない日常を過ごして、そして普通に死ぬのだろうか。 card_100_191_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, そんなの、天才に生まれた意味がない。神様が与えてくれた特別を、完全に持て余しているだけだ。 card_100_191_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, ああ、誰でもいい。どんなきっかけでもいい。この退屈を、何とかしてくれ――。 card_100_191_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, そんなことを考えながら窓の外を眺め続けていると、一瞬、その先の景色が変化した。 card_100_191_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, 今まで一度も見たことが無い、古めかしい日本のような景色。そして、菫子の目に菫子が映った。 card_100_191_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, その景色の中にいたのは紛れもなく、宇佐見菫子自身だった。 card_100_191_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_191_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 「今のは……錯覚? でも、 card_100_191_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, それにしてはハッキリしすぎじゃ……?」 card_100_191_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_191_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, ふと思う。もしかしたらこことは違う別の世界が存在していて、 card_100_191_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, その世界の自分が、一瞬だけ私を見に来たんじゃないか――と。 card_100_191_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, 「バカな話ね。……でも、もしその世界に card_100_191_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, 行けるなら、こんな退屈とはおさらばできるかも」 card_100_191_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_191_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_191_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, 突然現れた非現実を目の前にして、菫子は久しぶりに高揚感を覚えていた。 card_100_191_00_40 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,