// BOM card_100_193_00,2,50 START, SET_CARD_BG_IN,100193,0, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 季節は冬。神社の境内には白い雪が深く降り積もり、歩くことすらままならない雪景色ができている。 card_100_193_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 当然、神社の主である巫女は自室に籠って睡眠三昧。 card_100_193_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 時折、知り合いの魔法使い見習いが神社を訪れては、 card_100_193_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 布団にくるまる巫女を外に連れ出そうとする光景が広がっている。 card_100_193_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, そんな、ありとあらゆるものが引きこもりになってしまう、寒さに包まれた停滞の冬の中。 card_100_193_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 高麗野あうんもまた、 card_100_193_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 神社の番犬・狛犬としてはあるまじき姿で、今日という日を過ごしていた。 card_100_193_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_193_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, 「わうぅーん……やっぱり寒いのは苦手でーす…… card_100_193_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 冬はやっぱり炬燵が一番ですねー。わうわう」 card_100_193_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 温かな空気を逃がすまいと炬燵布団をぴっちりと閉じ、その中央で丸くなるあうん。 card_100_193_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, 狛犬と言えば神聖なる狗いぬのはずなのに、その姿はまさに惰眠を貪る猫そのもの。 card_100_193_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_193_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 「雪が降ったら喜び勇んで庭を駆け回るなんて、 card_100_193_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, そんな犬は今の時代、ほとんどいませんよー。 card_100_193_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, やっぱり時代は快適優先。温かな楽園が card_100_193_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, ここにあるのに寒い地獄に自ら身を投じるなんて、 card_100_193_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, それこそ馬や鹿のすることですー。 card_100_193_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 狛犬は賢い番犬なんですよ。わおーん」 card_100_193_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, その遠吠えに覇気はない。神社を侵入者から守らなくてはならない存在とはとても思えない。 card_100_193_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 守られるべき神社の主は、すっかり炬燵の猫になってしまった狛犬を見て、呆れ返っていた。 card_100_193_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_193_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 「今日は強盗も妖怪も休業のはずです。 card_100_193_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, それでは、おやすみなさいー……」 card_100_193_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_193_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_193_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, 眠気に身を任せて静かに目を閉じるあうんは、それはもう、とても幸せそうな表情を浮かべていた。 card_100_193_00_38 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,