「わかりました!
お師匠様のためにも頑張ります!」
隠岐奈の命を受けて年越しの準備に追われる幻想郷のみんなを手助けすることになった舞と里乃。
おせち調理の材料が足りず困っていた咲夜たちを助けるため、舞は踊りの力で森の作物を実らせる。
冬にも関わらず、実った野菜や果物は見事な美しさと味わいを持っていた。
ふたりが持ってきた作物を見て驚く咲夜に対し、舞は得意げな笑みを浮かべる。
「これぐらい、僕にとって朝飯前って言うか……
年明け前? とにかくお安いご用ってこと!」
「思いついたのは私なんだけどねー。
上手くいって良かったね~
お師匠様も褒めてくれるでしょ」
気を良くしたふたりは、せっかくだからと咲夜のおせち作りを手伝うことに。
人々にとって忙しい年越しの準備も、ふたりにとっては新鮮な体験であるらしい。
悠久の時を生きる彼女たちにとってはたちまち極上の暇潰しへと早変わりしてしまうのだろう。
大晦日へ向けての数日間、彼女たちは隠岐奈の期待以上の働きを見せようと、必死に走り回る。
「そう言えば、
どうして12月は師走と言うのかな?」
「忙しくて師も走るって理由らしいわ」
「だったら僕たちは、お師匠様に走らせることの
無いよう、その分走り回らないとね!」
幻想郷の各地を走り回るふたり。そんな彼女たちの姿をもちろん隠岐奈はしっかり見ているわけで。
「あら。思っていたより頑張っているみたいね。
これで私の評判も良くなってくれるでしょう」