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「……って、わけでな! 負けたままで
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いられん、ちゃんと秘策を持ってきたぜ!」
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とんがり帽子を片手で直し、にやりと笑って、高らかに再挑戦を魔理沙は宣言した。
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「ほう、土用の力を持ってきたか……。悪くない」
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隠岐奈は興味深げに魔理沙の背中を凝視する。
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「今のお前の背中の扉は、もっとも生命力が
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失われる季節の境目。確かに私の技も通じないな」
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ミニ八卦炉の発射口を隠岐奈に向け、魔理沙は「お前の勝ち目は潰えた」と言い放つ。
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実際はそんなことはない。大規模な異変を起こす神が、能力の一部を封じた程度で揺るぎはしない。
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しかし魔理沙は笑う、余裕綽々に楽しんで戦うことこそ、こういうやつを振り向かせるのにはいい。
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「ふっふっふ、そう上手くいくとは思わないが、
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悪くない策だ。そう、全く悪くないぞ人間よ!」
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秘された神は普通の魔法使いの挑戦を愉快と感じて受けることにした、空間に力が満ちていく。
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「実に気に入った! 不採用と言ったことは
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撤回しよう! 普通の魔法使いよ!
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その聡明さと大胆さは誠に天晴れである。
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一度の不採用を取り消して、
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再度の挑戦を許そうではないか!」
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「あいにくあんたの手下になるための
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試験なんかには全くもって興味ないんだけどな!」
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「そうつれないことを言うな、
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……今度は季節の魔力は使わない!
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真なる秘神の秘術をしかと見よ!」
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「そうこなくっちゃな!
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今度は心置きなく戦わせてもらうぜ!
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神様に人間の意地をみせてやる!」
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ミニ八卦炉に魔力を充填し、魔理沙が思い描くのは夜空を切り裂くような派手で真っ直ぐな閃光だ。
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まばゆい光で何もかもを吹き飛ばし、神を地につけ勝利を必ず認めさせるのだ。
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霧雨魔理沙という魔法使いは、有象無象とは違う存在なのだと。決して忘れないように、その目に。
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