// BOM card_100_218_01,2,127 START, SET_CARD_BG_IN,100218, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 「そもそも、この楽園がどこよりも豊かなのか card_100_218_01_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 私には一考の余地があると思うのだがな」 card_100_218_01_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_4 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 玉座の背もたれに顎を乗せたまま、隠岐奈は笑みを崩さずそんな不穏な言葉を口にする。 card_100_218_01_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_7 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あら？　この幻想郷にご執心のあなたが card_100_218_01_8 SET_CARD_TEXT,1,1, それを言うなんて、どういう心境の変化かしら？」 card_100_218_01_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_11 SET_CARD_TEXT,1,1, 「なに、愛しているからこその心配だよ。 card_100_218_01_12 SET_CARD_TEXT,1,1, 我々がそう思っているだけで、 card_100_218_01_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 余所者もそうとは限らない。 card_100_218_01_14 SET_CARD_TEXT,1,1, ずっと中にいると感覚が鈍るとは card_100_218_01_15 SET_CARD_TEXT,1,1, よく言ったものだろう？」 card_100_218_01_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_17 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 「確かに、一理あるわね。 card_100_218_01_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_20 SET_CARD_TEXT,1,1, ……では、こうしましょうか」 card_100_218_01_21 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_22 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_23 SET_CARD_TEXT,1,1, 紫は玉座の肘置きを指で何度か軽く叩くと、これは名案だと言わんばかりの笑顔と共に口を開いた。 card_100_218_01_24 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_25 STOP_BGM_FADEOUT,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 「向こう側で私たちのことを見ながら楽しんでいる card_100_218_01_26 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_27 SET_CARD_TEXT,1,1, そこのあなた。そう、あなたよあなた。 card_100_218_01_28 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_29 SET_CARD_TEXT,1,1, あなたには、どういう風にみえていたの？」 card_100_218_01_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_31 SET_CARD_TEXT,1,1, 目の前に佇む妖しい怪もののけは、――わたし――に向かってささやく。 card_100_218_01_32 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_33 SET_BGM,8, SET_CARD_TEXT,1,1, 「この世界で生きる存在を card_100_218_01_34 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_35 SET_CARD_TEXT,1,1, 眺めることが楽しかった？ card_100_218_01_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_37 SET_CARD_TEXT,1,1, この世界に流れる旋律を card_100_218_01_38 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_39 SET_CARD_TEXT,1,1, 奏でることが楽しかった？ card_100_218_01_40 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_41 SET_CARD_TEXT,1,1, 少女たちが紡いだ御伽噺おとぎばなしを card_100_218_01_42 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_43 SET_CARD_TEXT,1,1, 拾い集めることが楽しかった？ card_100_218_01_44 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_45 SET_CARD_TEXT,1,1, そんな世界を、愛することが楽しかった？ card_100_218_01_46 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_47 SET_CARD_TEXT,1,1, それとも――――」 card_100_218_01_48 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_49 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_50 SET_CARD_TEXT,1,1, ――わたし――は、その問いに言葉をもって答えようとした。その時―― card_100_218_01_51 SET_CARD_TEXT,1,1, もう一人の、慇懃無礼で傲慢な神トリックスターの人指し指が、答えようとする唇に触れた。 card_100_218_01_52 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_53 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ほう、お前は card_100_218_01_54 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_55 SET_CARD_TEXT,1,1, この幻想郷せかいへの答えを持っているのだな？ card_100_218_01_56 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_57 SET_CARD_TEXT,1,1, お前なりに解釈し、意味を与え、 card_100_218_01_58 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_59 SET_CARD_TEXT,1,1, 答えを導き出そうとしたのだな？」 card_100_218_01_60 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_61 SET_CARD_TEXT,1,1, 神はニヤリと妖しく笑い、妖怪は神々しく微笑んだ。 card_100_218_01_62 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_63 SET_CARD_TEXT,1,1, 「それなら――」 card_100_218_01_64 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_65 SET_CARD_TEXT,1,1, 「そのあなたなりの答えは、 card_100_218_01_66 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_67 SET_CARD_TEXT,1,1, あなただけの形として、形作ってほしいの」 card_100_218_01_68 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_69 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_70 SET_CARD_TEXT,1,1, 「いつか、その答えを私たちに見せてくれないか？ card_100_218_01_71 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_72 SET_CARD_TEXT,1,1, また別の幻想郷せかいで逢う時にでも、な」 card_100_218_01_73 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_74 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_75 SET_CARD_TEXT,1,1, そう言い終えると、それまで開いていた幾つもの扉が次々と音を立てながら閉じ、そして崩れていく。 card_100_218_01_76 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_77 STOP_BGM_FADEOUT,1000, FADE_OUT,250,0, WAIT_SEC,500, SET_MODEL_CHARA,CH80001,10,0,0,mtn_01,face_01,NONE,0,NONE,NONE, MOVE_CHARA_POS,CH80001,5,0,0, SET_CARD_BG_OUT, SET_TEX_BG,10000005,0, FADE_IN,250,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 「そろそろ時間ね」 card_100_218_01_78 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_79 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ああ、そのようだな」 card_100_218_01_80 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_81 SET_SE_EPISODE,DIR_SE_Yume_App, MOVE_CHARA_POS,CH80001,5,250,1, WAIT_SEC,2000, SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_82 SET_CARD_TEXT,1,1, 二人の姿もついには見失い、真っ暗闇のなか最後に残ったのは、 card_100_218_01_83 SET_CARD_TEXT,1,1, 手のひらにも満たない小さなユメミタマがひとつ。 card_100_218_01_84 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_85 SET_BGM,43, SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_86 SET_CARD_TEXT,1,1, 「今度はあなたが扉を開く番よ」 card_100_218_01_87 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_218_01_88 WAIT_SEC,2000, SET_SE_EPISODE,DIR_SE_Yume_Disapp, FADE_OUT,250,1, WAIT_SEC,500, SET_TEX_BG,10000000,0, MOVE_CHARA_POS,CH80001,5,0,0, FADE_IN,250,1, WAIT_SEC,1500, SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_218_01_89 SET_CARD_TEXT,1,1, シャボン玉が弾けるようにユメミタマが消える刹那――確かにそう聞こえた気がした。 card_100_218_01_90 SET_CARD_TEXT,1,1, 目の前には見覚えのある、あの真っ赤な緞帳がその幕を下ろし、静かに佇んでいた。 card_100_218_01_91 , WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,