「感情をチョコに変換するなんて面白いじゃない!
当然、勝つのは私に決まってるけど!」
パチュリーの見つけた『感情をチョコに変換する魔法』を面白がったレミリアが考案したイベント、
バレンタインの開催が決まり、フランドールはそれに参加することになった。
自分たちの信仰力を競う催し、姉には負けられない!と意気込むフランに強力な助っ人が現れる。
「私にも、物分かりの悪い姉さんがいてねー。
負けたくない妹の気持ち、よくわかるってわけ」
「ええ!? さすがに過激すぎません!?
それに、そんな大がかりな魔法なんてどうすれば」
女苑の口車によってヒートアップしていく姉妹喧嘩。美鈴も押し切られ、どうなってしまうことやら。
「こういうとき、財を出し惜しみしちゃ駄目だよ。
ね、妹さん。あんたの考え、形にしたいでしょ?」
「ええ、お姉様をやっつけるためだもの!
徹底的にやってやるわ!
泣かせちゃうんだから!」
日頃の鬱憤うっぷんか、姉への対抗心か。はたまた無邪気な冗談か。うきうきとした顔で誘いに乗るフラン。
紅魔館の主はもちろんレミリアだが、フランドールも姉に勝るとも劣らない実力の持ち主。
下手に機嫌を損ねてしまったら、どうなることやら。美鈴はひとり苦悩しつつ、話を合わせる。
「そ、そうですねー。
レミリア様が退屈しない程度に
サプライズは大切かもしれませんし」
「でしょでしょ! よく分かってるじゃない。
美鈴! 今回は私の従者として頑張ってね!」
「あ、あはは……ほどほどにしておきましょうね。
ほどほどに……レミリア様が心配しない程度で」
なんとか事を穏便に進めようとする美鈴だったが、フランと女苑はどんどんヒートアップしていく。
「それでね、チョコの形なんだけど……
こんなのはどう? 面白いと思わない?」
「へえ、いいじゃん! ステージのコンセプトに、
ぴったりだよ! さっそく準備しましょ!」