「んぅ……? う……ここは……?
確か、私はさっきまで調べ物を……」
「お気づきになられましたか、パチュリー様。
研究熱心なのはいいことですが、無茶しすぎです。
少しはお身体をお気遣い下さい」
ぼんやりとした意識の中、咲夜の顔が見える。
パチュリーはどうやら倒れていたらしいことに気づく。
見回りをしていた咲夜が見つけて介抱してくれていたのだろう。
「お気になさらず、横になっていてください。
今日は安静にしていたほうが良さそうです」
身体を起こそうとしたパチュリーを咲夜が制止する。しかし、これ以上彼女に甘える訳には……。
と思ったものの、やはり体調は芳しくなかった。
「何か必要なものはあります?
本が読みたければ、
私が代行して読み聞かせをいたしますよ」
「子供じゃないんだから、
そこまではしなくていいわ……。
それに、寝ていればすぐ治るから」
ゆっくり目を閉じるパチュリー。体調が悪いなんて、いつものことだ。
「寝ているだけではダメですよ。根本的に疲れが
取れていないのです。マッサージをしましょう」
「ちょっ……!?
いい、いいってば咲夜……痛っ!?
いたたたたたたた!! 何よこれ!?」
「美鈴に教えて貰ったんです。どうですか?
ふーむ、どうやら想像以上に
肩こりが酷いですね……えいっ」
咲夜がパチュリーのツボを突く。次の瞬間、パチュリーは声にならない叫び声を上げた。
「はぁ……はぁ……もういい……
十分だから……。十分良くなったから……」
「確かに顔色が良くなりました。これからも
何かあれば、気軽におっしゃってくださいね」
パチュリーは咲夜にお礼を言いつつも、これからは出来る限り健康的な生活をしようと思うのだった。