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「パチェ、あなたの魔法とっても役に立ったわ。
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楽しいパーティーだったわよ。ありがとう」
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「そう……。でも勝手に魔法を使うのは
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止めてもらえる? 今回だって一歩間違えば……」
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バレンタインの騒動が終わった後、ようやく体調が回復したパチュリーを見舞うレミリア。
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しかし、どうにもパチュリーはご不満な様子だ。ひと悶着あったことに対し、苦言を呈している。
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「やれやれ、パチェも素直じゃないわね。本当は
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あなたもチョコが食べたかったんでしょう?」
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「なっ……!? そそっ、そんなこと無いわよ。
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バレンタインなんて別に……騒ぐのは嫌いだし」
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ニヤリと笑うレミリアから顔をそらし、頬を赤らめるパチュリー。どうやら図星のようだ。
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本当はみんなと一緒にバレンタインを満喫したかったのに、参加出来なかったことを残念がっている。
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そんなパチュリーの心情を見越していたレミリアは、彼女の手にそっと小さな箱を持たせてあげた。
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「な……何よこれ……? びっくり箱なんて
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今時流行らないし、私は驚いたりしないわよ」
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「何言ってるのよ。チョコよ、チョコ。
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私とフランで作ったの。食べてみて」
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レミリアの言葉に驚いた表情を浮かべるパチュリー。あのフランドールと一緒に作った?
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自分が寝ている間に一体何があったのだろうかと不思議に思いながらも、
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箱の中に入っていた小さなチョコをパクっ、とひとくち。
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甘く、ほのかに苦い味が口いっぱいに広がる。
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「どう? 美味しいでしょ?
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フランったらとんでもないことしでかしたけど、
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ケガの功名よね」
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「はぁ……あなたたち姉妹って
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一体どういう関係なのかしら?
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仲が良いのやら悪いのやら……」
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パチュリーはふっと笑いつつ、小さなチョコをゆっくりと口の中で転がして、時間をかけて味わった。
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