「はーっはっはー! 楽しいなぁ仙人!
近頃の退屈が一切合切吹き飛びそうだ!」
比那名居天子は地上に向かって無数の要石を降らせながら、幻想郷の空に高笑いを響かせた。
急に弾幕勝負を仕掛けられた茨木華扇は必死に要石を避けつつ、頭上の天子に向かって声を荒げる。
「こ、こんなのは弾幕勝負ではない!
あなたは加減というものを知らないのですか!?」
要石による物理攻撃。見方によっては“弾幕ごっこ”の域を超えている様に思える。
「私が弾幕勝負だと思ったら、
それが弾幕勝負だ!
早く応戦しなさい。反撃がないのでは、
何の張り合いもないからね!」
「本当にこの不良天人は……絵に描いたような、
天上天下唯我独尊っぷりですね!」
暴虐無人の権化ともいえる天子を前に、華扇の頬を冷や汗が伝う。
周囲に被害を出す訳にはいかない華扇は、ついに戦う覚悟を決める。
「致し方ありません。
少々痛い目を見てもらうとしましょう!」
災害の如き天子を止めるべく、華扇が懐から取り出したのは一枚のスペルカード。
彼女の必殺スペルカード、龍符『ドラゴンズグロウル』だ。
「ようやく、やる気になってくれたのね?
いいわ、面白い。お前の一撃を私に見せよ!」
「お説教が必要のようですので、
私の技で一度、大人しくしてもらいましょう!」
天と龍が激突する。その勝負の行方は、いかに――!