// BOM card_100_233_00,2,49 START, SET_CARD_BG_IN,100233, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, ――灯りひとつない幻想郷の暗い夜空。 card_100_233_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 博麗神社の鳥居の上、青白い月光に照らされて、朧げに浮かび上がる人型がふたつ。 card_100_233_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 罰当たりにも鳥居に腰掛けるは、かたや童女のように小柄で可憐な少女。 card_100_233_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, その隣に並ぶのは、四肢がすらりと伸びた長身の少女。 card_100_233_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, 二者の姿は、この世のものとも思えぬ浮世離れした雰囲気を纏まとっている。 card_100_233_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, ――それも当然だろう。小柄な少女の頭部からは捻じれた一対の角が、 card_100_233_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 長身の少女の額からは赤い一本の角が生えているのだから。 card_100_233_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_233_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, 「いやー、しかしまた、 card_100_233_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, こうしてあんたと酒が飲めるなんてね――勇儀」 card_100_233_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_233_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 小柄な鬼の少女――伊吹萃香が、隣にいる旧友に視線を送る。 card_100_233_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ま、確かにそうだね。ここ何百年かで、 card_100_233_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, ずいぶん顔見知りもいなくなっちまったからな」 card_100_233_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_233_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, ふっ、と頬を緩めてかすかな笑みを浮かべてから、星熊勇儀は懐かしむような、遠い目をする。 card_100_233_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, 会えぬ友、消えた妖怪、死んだ人間―― card_100_233_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, この場にいない者たちが、ふたりの瞼の裏に浮かんでは消える。 card_100_233_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, 晨星落々しんせいらくらく――長命の鬼である彼女たちは、親しい者との別れを幾度となく経験してきた。 card_100_233_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ま、勇儀が地底で元気にやってたんだ。 card_100_233_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, どっかその辺でのんびりやってる奴が、 card_100_233_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, まだいるかもね」 card_100_233_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_233_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ああ、そいつはいい。 card_100_233_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, それなら、いつかまたこうやって card_100_233_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, あつまることだってできるだろうさ」 card_100_233_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_233_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_233_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, それが夢物語と知りながら、ふたりが掲げた盃が、月を背景に交わされる。 card_100_233_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, もはや会えぬ友に捧げるように――ふたりの鬼は、束の間の感傷に浸り、飲み明かすのだった。 card_100_233_00_37 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,