チョコレート怪盗団を結成した二人は、さっそく人間の里で悪事を働こうと身を潜めていた。
「なんて仲良しなカップルなんでしょう。
シンプルに妬ましいわ。……準備はいいかしら?」
「もちろんよ、Pプリンセス。チョコレート怪盗団の
恐ろしさをみんなに思い知らせてやりましょう!」
チョコレートの受け渡しをするカップルの邪魔をしたり、チョコレートそのものを盗んでしまったり。
パルスィの能力で嫉妬心を煽って喧嘩をさせたり、女苑の能力でチョコを爆買いさせて散財を促す。
そこにユメミタマにより強化された身体能力が合わさり、彼女たちは着実に被害者を増やしていった。
「どいつもこいつも簡単に隙を見せる。
私たちにかかれば、盗めないチョコはないわ」
「霊夢も魔理沙も白玉楼の姫も守矢の巫女も、
みーんな私たちの掌の上。
あまりにもチョコを盗むのが簡単すぎて、
隠し場所に困ってしまうぐらいだわ」
経過は順調。勢いづいたチョコレート怪盗団は、次なる標的に狙いを定める。
「次は永遠亭の
『幻想郷バレンタイン展』を狙いましょう。
珍しいチョコがいくつも展示されているらしいわ、
台無しにするにはうってつけでしょ」
「いい考えね。
幻想郷のチョコはすべて私たちのもの。
根こそぎ、いただいてしまいましょう」
他人の幸せを許さず、ありとあらゆる方法を使ってバレンタインを台無しにする。
チョコレート怪盗団の次なる戦いが、始まろうとしていた……!