// BOM card_100_258_00,2,44 START, SET_CARD_BG_IN,100258,0, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 藍と橙が寝静まった夜。ふたりを起こさないよう、紫は静かに屋根へと上がっていた。 card_100_258_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, その傍らには瓢箪ひょうたんと杯。ひとり春の夜風を浴びながら、晩酌に耽る算段だ。 card_100_258_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_258_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 「たまにはこうして、黄昏たそがれてみるのも card_100_258_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 悪くないかも? ふふふ……」 card_100_258_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_258_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, 誰に言うわけでもなく、呟く。そして杯に酒を注いで、ゆっくりと口に含んだ。 card_100_258_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 「秘蔵の逸品を取り出してきたかいがあったわ。 card_100_258_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, 風も心地よいし……いい肴ね」 card_100_258_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_258_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 屋根から見下ろす、夜の幻想郷は壮観だ。 card_100_258_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, この景色も、永年に渡って紫が形作ってきたもの、成果のひとつだ。 card_100_258_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, その事実を知るものは、この幻想郷に決して多くはない。 card_100_258_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, だがこんな風の気持ちいい夜は、こうして酒を嗜たしなみながら、人知れず己の心の中でのみ、誇るのだ。 card_100_258_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 「ふふっ……珍しく酔いが card_100_258_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, 回ってきちゃったかしら? card_100_258_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_258_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 目の前の美しさに、少し、浮かれているのかも」 card_100_258_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_258_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, そのとき、どこからか飛んできた桜の花びらが、杯の水面にひらりと舞い落ちた。 card_100_258_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_258_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あら、風情がわかっているじゃない。この桜」 card_100_258_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_258_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 紫は小さく、杯に口をつける。 card_100_258_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, 風味が口の中に広がる。華やかで満ち足りた、春の味がした。 card_100_258_00_32 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,