// BOM card_100_268_00,2,78 START, SET_CARD_BG_IN,100268, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 月での異変が解決してから、稀神サグメは頻繁に幻想郷を訪れるようになった。 card_100_268_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 特に人間の里がお気に入りで、月にはない料理や物品が手に入ることから、頻繁に訪れている。 card_100_268_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, （相変わらず、大きなお屋敷…… card_100_268_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, あの人が好みそうな雰囲気だわ……） card_100_268_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, そんな彼女が今日足を運んだのは、迷いの竹林の奥にある永遠亭。 card_100_268_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女が尊敬する元・月の民が暮らしているこの屋敷に、彼女は一人で訪れていた。 card_100_268_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……せめて、事前に連絡を card_100_268_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 入れておくべきだったかしら」 card_100_268_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 首を伸ばして門の奥を覗き込んだり、周囲に誰かいないかきょろきょろ見渡したり。 card_100_268_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, 露骨にそわそわするサグメは、端から見るとただの不審者でしかないが……彼女はそれに気づかない。 card_100_268_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, 「せっかく来たのだから……出迎えぐらい、 card_100_268_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1, あってもいいと思うのだけれど……。 card_100_268_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, ……連絡を入れてなかったから、 card_100_268_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, 私がここにいるって、気づかれていない……？」 card_100_268_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, もしかしたら全員留守にしているかもしれない。不安がもやとなって彼女の胸の奥にくすぶり始める。 card_100_268_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, 帰ろうか、それとももう少しだけ粘ろうか。 card_100_268_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, きょろきょろそわそわとサグメが視線をさまよわせていると―― card_100_268_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あら、誰かと思えばサグメじゃない。 card_100_268_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, こんなところで何をしているの？」 card_100_268_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, ――彼女は後ろから声をかけられた。 card_100_268_00_38 SET_CARD_TEXT,1,1, 慌てて振り返ると、そこにいたのは目的の人物。 card_100_268_00_39 SET_CARD_TEXT,1,1, サグメが尊敬する月の天才、八意永琳だった。 card_100_268_00_40 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_41 SET_CARD_TEXT,1,1, 「こんにちは……ちょうど近くまで来たので、 card_100_268_00_42 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_43 SET_CARD_TEXT,1,1, 挨拶でも、しようかと……」 card_100_268_00_44 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_45 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あら、わざわざご苦労様。ごめんなさいね。 card_100_268_00_46 SET_CARD_TEXT,1,1, 今日は私以外、みんな留守にしていて……。 card_100_268_00_47 SET_CARD_TEXT,1,1, 私もちょうど、買い出しから card_100_268_00_48 SET_CARD_TEXT,1,1, 戻ってきたところだったのよ」 card_100_268_00_49 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_50 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_51 SET_CARD_TEXT,1,1, 「それは残念。では、また出直してくるとします」 card_100_268_00_52 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_53 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_54 SET_CARD_TEXT,1,1, 「あ、ちょっと待ちなさい」 card_100_268_00_55 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_56 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_57 SET_CARD_TEXT,1,1, 踵を返そうとするサグメの肩を、永琳はむんずとつかむ。 card_100_268_00_58 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_59 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_60 SET_CARD_TEXT,1,1, 「せっかく来てくれたんだもの。もてなしぐらい card_100_268_00_61 SET_CARD_TEXT,1,1, させなさい。――嫌とは、言わせないわよ？」 card_100_268_00_62 SET_CARD_TEXT,1,1, 　 card_100_268_00_63 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_268_00_64 SET_CARD_TEXT,1,1, そんなこと言うはずがない。だって私は、あなたに会いにきたのだから。 card_100_268_00_65 SET_CARD_TEXT,1,1, ――とは、さすがに言えないので、サグメは口を押さえたまま、静かに首を縦に振った。 card_100_268_00_66 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,