// BOM card_100_269_00,2,50 START, SET_CARD_BG_IN,100269, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 雲ひとつない幻想郷の青空を航行するのは、聖輦船せいれんせんと呼ばれる巨大船。 card_100_269_00_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 船長である村紗水蜜は、心地よい風に頬をなでられながら、高らかに声を上げた。 card_100_269_00_2 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_3 SET_CARD_TEXT,1,1, 「今日も良い天気、航行日和。ヨーソロー!」 card_100_269_00_4 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_5 SET_CARD_TEXT,1,1, 普段は命蓮寺のメンバーを乗せて航行しているが、今、船の中に彼女以外の姿はない。 card_100_269_00_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 彼女はひとり、愛用の柄杓ひしゃくのメンテナンスに勤しんでいた。 card_100_269_00_7 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_8 SET_CARD_TEXT,1,1, 「多少の傷はあるけど、この程度なら問題なし。 card_100_269_00_9 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_10 SET_CARD_TEXT,1,1, まずはピカピカに磨いてあげるね」 card_100_269_00_11 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_12 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_13 SET_CARD_TEXT,1,1, 水の入った桶に手ぬぐい、仕上げ用のレモンオイル、そしてタオル。暑いのか、帽子は脱いでいた。 card_100_269_00_14 SET_CARD_TEXT,1,1, まるで赤子を扱うかのように、水蜜は柄杓を大事に、それはもう大事にメンテナンスしていく。 card_100_269_00_15 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_16 SET_CARD_TEXT,1,1, 「いつも、私の無茶に付き合ってくれて、 card_100_269_00_17 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_18 SET_CARD_TEXT,1,1, 本当にありがとう。 card_100_269_00_19 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_20 SET_CARD_TEXT,1,1, 後にも先にも、私の相棒は君だけだよ」 card_100_269_00_21 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_22 SET_CARD_TEXT,1,1, じっくりと、念入りに。何度も何度も、丁寧に磨き上げていく。 card_100_269_00_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 「――よし、できた! card_100_269_00_25 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_26 SET_CARD_TEXT,1,1, うんうん。我ながら完璧な仕事ぶりだよ」 card_100_269_00_27 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_28 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_29 SET_CARD_TEXT,1,1, 水蜜は満足げな顔を浮かべながら、磨き上げられた柄杓を空に掲げる。 card_100_269_00_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 掲げた柄杓は太陽の光に照らされ、まばゆいばかりの輝きを放っていた。 card_100_269_00_31 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 「船長として、メンテナンスを card_100_269_00_33 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_34 SET_CARD_TEXT,1,1, 欠かしちゃいけないからね」 card_100_269_00_35 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_269_00_36 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_269_00_37 SET_CARD_TEXT,1,1, こういった細かな努力の積み重ねが、安全な航行へと繋がるのだ――と水蜜は得意げに鼻をかいた。 card_100_269_00_38 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,