「小さい身体でがんばりますねえ、姫。
そんなに私を止めたいんですか?
無理無理、やめておいたほうがいいですよ。
はっきり言って、時間の無駄です」
「友達が悪さをしようとしているんだから、
止めるに決まっているでしょう!?
無駄だとか無理だとか、
そんな言葉は聞きたくない!
私は、あなたがみんなから
嫌われることが耐えられない。
だから、ここであなたを止めるの!」
小さな身体を奮い立て、小さな勇気を振り絞る小人の末裔――少名針妙丸。
二人の会話は平行線。どちらかが引くことは決してない。
自分の意見を押し通すのに必要なのは、相手が折れるほどに圧倒的な弾幕の数々。
言葉と本心がアベコベな道化を反省させるため、小さな勇者は目いっぱいの弾幕を展開する。
「さあ、そろそろ終わらせるわよ、正邪!
この弾幕を受けて、反省しなさい!
そしてもう一度、真の意味で弱者が
生きやすい幻想郷を、私と一緒に作りましょう!」
「その約束はいたしかねます。
なぜなら、姫ではこの私には勝てないのだから!」
「そんなの、やってみないと
分からないでしょおおおおおお!」
約束はすれ違えども、弾幕は交わる。
かつての同盟者と意地をぶつけ合うお尋ね者のピエロは今、いったいどんな顔をしているのだろうか。
嘘偽うそいつわりで塗り固められた道化の化粧を剥がない限り、彼女の本音は分からない。