// BOM
card_100_280_00,2,54
START,
SET_CARD_BG_IN,100280,
SET_BGM,7,
MAIN_UI_OFF,1,
FADE_IN,500,0,
WAIT_SEC,1000,
SET_CARD_TEXT,1,1,
紅葉を司る神である静葉は、基本的には秋以外の季節に外出することはない――はずだった。
card_100_280_00_1
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_2
SET_CARD_TEXT,1,1,
「今日はなんだか肌寒いから……秋だと勘違いして
card_100_280_00_3
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_4
SET_CARD_TEXT,1,1,
しまったじゃない。早起きして損したわ」
card_100_280_00_5
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_6
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_7
SET_CARD_TEXT,1,1,
寝ぼけ眼をこすりながら、妖怪の山のふもとにやってきた彼女の目に映るのは、舞い散る桜の花びら。
card_100_280_00_8
SET_CARD_TEXT,1,1,
秋とはまさに正反対。出会いと別れの春、その終わりを告げる光景だ。
card_100_280_00_9
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_10
SET_CARD_TEXT,1,1,
「こうして見てみると、春の終わりも
card_100_280_00_11
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_12
SET_CARD_TEXT,1,1,
秋と似ているところはあるかもしれないわね」
card_100_280_00_13
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_14
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_15
SET_CARD_TEXT,1,1,
どこか憂いを帯びながらも、うっとりとした表情を浮かべ、終わりゆく春を見つめる秋の少女。
card_100_280_00_16
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_17
SET_CARD_TEXT,1,1,
「ああ……どの季節にも別れは存在するのね。
card_100_280_00_18
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_19
SET_CARD_TEXT,1,1,
目覚めの春が終わって、暑い夏が来て……」
card_100_280_00_20
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_21
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_22
SET_CARD_TEXT,1,1,
そして、夏が終われば、静葉が待ち望む秋がやってくる。
card_100_280_00_23
SET_CARD_TEXT,1,1,
季節が巡る限り、必ず終わりはやってくる。秋も含めた四つの季節、そのすべてに。
card_100_280_00_24
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_25
SET_CARD_TEXT,1,1,
「自然が散るその瞬間、儚くも美しいのは
card_100_280_00_26
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_27
SET_CARD_TEXT,1,1,
秋だけではない、か……悪くないわね」
card_100_280_00_28
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_29
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_30
SET_CARD_TEXT,1,1,
誰に聞かれることもなく、そっとつぶやいた言葉。もし彼女を知る者が聞いていたら驚いただろう。
card_100_280_00_31
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_32
SET_CARD_TEXT,1,1,
「夏の終わりも……冬の終わりも……
card_100_280_00_33
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_34
SET_CARD_TEXT,1,1,
こうして見つめてみるのもいいかもしれないわ」
card_100_280_00_35
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_36
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_37
SET_CARD_TEXT,1,1,
早起きに嘆いていた彼女は、秋以外の季節が少しだけ好きになることができたらしい。
card_100_280_00_38
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_39
SET_CARD_TEXT,1,1,
「何かが終わる瞬間は、何よりも美しい。
card_100_280_00_40
SET_CARD_TEXT,1,1,
card_100_280_00_41
SET_CARD_TEXT,1,1,
その儚さを、これからも見届けていきましょう」
card_100_280_00_42
WAIT_TOUCH,
SKIP_POS,
FADE_OUT,500,
STOP_BGM,
WAIT_SEC,2000,
END,