// BOM card_100_282_01,2,60 START, SET_CARD_BG_IN,100282, SET_BGM,7, MAIN_UI_OFF,1, FADE_IN,500,0, WAIT_SEC,1000, SET_CARD_TEXT,1,1, 本殿の掃除中に見つけてしまった、八坂神奈子の注連縄しめなわ。 card_100_282_01_1 SET_CARD_TEXT,1,1, 勝手に使うことに抵抗はあるが、あの神々しさや格好良さにはやはり憧れがある。 card_100_282_01_2 SET_CARD_TEXT,1,1, ご利益がもらえるかもしれないし、少しだけなら、借りても構わないだろう。 card_100_282_01_3 SET_CARD_TEXT,1,1, そう、早苗は自分に言い訳すると、 card_100_282_01_4 SET_CARD_TEXT,1,1, 周囲に誰もいないことを確認しつつ、そーっとその注連縄しめなわを背負ってみる。 card_100_282_01_5 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_282_01_6 SET_CARD_TEXT,1,1, 「おぉ……! これが神奈子様の……なんだか、 card_100_282_01_7 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_8 SET_CARD_TEXT,1,1, すごく神々しい気持ちになってきました!」 card_100_282_01_9 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_282_01_10 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_11 SET_CARD_TEXT,1,1, もちろん、背負っただけで神性が与えられるとか、そんなトンデモ効果は存在しない。 card_100_282_01_12 SET_CARD_TEXT,1,1, だが、年頃の人間というものは外見を真似ただけで、 card_100_282_01_13 SET_CARD_TEXT,1,1, あたかもその存在そのものになったかのような気分になるものなのだ。 card_100_282_01_14 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_15 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……こほん。私は東風谷早苗、 card_100_282_01_16 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_17 SET_CARD_TEXT,1,1, この守矢神社の風祝かぜほうりである! card_100_282_01_18 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_19 SET_CARD_TEXT,1,1, みなの者、こうべを垂れい! card_100_282_01_20 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_21 SET_CARD_TEXT,1,1, 頭が高い、頭が高いであるぞー!」 card_100_282_01_22 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_282_01_23 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_24 SET_CARD_TEXT,1,1, 演技をしたら、だんだんと気分が乗ってきた。 card_100_282_01_25 SET_CARD_TEXT,1,1, ヒーローごっこをする子どものように、早苗は無邪気なごっこ遊びを披露していく。 card_100_282_01_26 SET_CARD_TEXT,1,1, ――注連縄しめなわの持ち主が、影から優しく見守っていることにも気づかずに。 card_100_282_01_27 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_28 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_29 SET_CARD_TEXT,1,1, 「いやぁ、つい出来心で注連縄しめなわを card_100_282_01_30 SET_CARD_TEXT,1,1, 本殿に放置してみたけど、 card_100_282_01_31 SET_CARD_TEXT,1,1, まさかこんなことになるとは。 card_100_282_01_32 SET_CARD_TEXT,1,1, 昔の早苗が戻ってきたみたいで、 card_100_282_01_33 SET_CARD_TEXT,1,1, なんだか懐かしい気持ちになるわね」 card_100_282_01_34 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_282_01_35 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_36 SET_CARD_TEXT,1,1, 幼子を見守る親御のように、早苗に向かって慈愛に満ちた視線を送る神奈子。 card_100_282_01_37 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_38 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_39 SET_CARD_TEXT,1,1, 「……それにしても、私にあそこまで card_100_282_01_40 SET_CARD_TEXT,1,1, 憧れてくれていたなんて。 card_100_282_01_41 SET_CARD_TEXT,1,1, 分かってはいたけれど、 card_100_282_01_42 SET_CARD_TEXT,1,1, 改めて行動で示されるとなんだか照れくさいなぁ」 card_100_282_01_43 SET_CARD_TEXT,1,1,   card_100_282_01_44 SET_CARD_TEXT,1,1, card_100_282_01_45 SET_CARD_TEXT,1,1, その後、黙って覗いていたことがバレた神奈子が card_100_282_01_46 SET_CARD_TEXT,1,1, 早苗から一週間ほど口を利いてもらえなくなるのだが、 card_100_282_01_47 SET_CARD_TEXT,1,1, ――それはまた、別のお話である。 card_100_282_01_48 WAIT_TOUCH, SKIP_POS, FADE_OUT,500, STOP_BGM, WAIT_SEC,2000, END,